玄人好みの資産運用

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現在、世界で最も大気が汚染された一○都市のうち、実に七都市を中国が占める。 中国では年間四○万人以上もの人達が、肺炎や心臓病など大気汚染が原因で死亡している。
中国における大気汚染の元凶は主に石炭であるといわれている。 化石燃料の中でも石炭には様々な汚染物質が含まれており、燃焼時に多量の有害ガスや粉塵を発生する。
空気中の煤煙や二酸化炭素の七○%、二酸化硫黄の九○%は石炭燃焼によるものといわれる。 中国は現在でもエネルギー消費の三分の二以上を石炭でまかなっている。
古い生産設備や発電所で使われる工業用ボイラーからの排煙が大気汚染の大きな要因である。 ただ、一般家庭の影響も無視できない。
実は、大気汚染による年間死亡者数四○万人のうち、三○万人が屋外の大気汚染で死亡しているが、ほかは屋内汚染(室内の空気汚染)で死亡しているのだ。 この屋内汚染には、石炭を使用する家庭用のストーブや小型コンロが大きく影響している。

中国では全体の半分以上の家庭で石炭を使用しているという。 将来の中国における大気汚染の時限爆弾となりうるのがモータリゼーションの波である。
都市部ではすでに自動車の排気ガスが最大の大気汚染源となっている。 国家環境保護総局によると、都市の大気汚染のおよそ八割は自動車の排気ガスによるものだという。
将来、中国でもアメリカのように二人に一人が車を所有する時代になると、国内の自動車保有台数は六億から七億台にもなる。 二○○○年における世界全体の自動車保有台数、七億五○○○万台にほぼ匹敵する。
自動車の排気ガスが中国の大気環境にとって大きな脅威になることはほぼ間違いないだろう。 また、大気中に放出された窒素酸化物や硫黄酸化物は酸性雨となって国土に降り注ぐ。
森林は枯れ、湖沼は酸性化し魚類など生物の生息が脅かされる。 酸性雨の被害は国土の実に三分の一に拡大している。
特に四川省や重慶など内陸部で被害が深刻となっている。 重慶などでは雨水を舐めると酸味を感じることさえあるというから、相当な汚染といえるだろう。
中国の大気汚染は日本の環境にも大きな影響を与えている。 いわゆる越境大気汚染の問題である。
大気に国境などないのだ。 すでに述べたように、中国は石炭を大量に消費しているため硫黄酸化物の発生量が多い。
その一部は偏西風製鉄所からの排煙で「衛星から見えない都市」として中国でも有名な遼寧省本渓市の大気汚染に乗って日本の上空に運ばれ、酸性雨となって降り注ぐ。 日本に降下する硫黄酸化物の半分は中国が発生源であるとする推計もある。

特に冬の北西季節風の影響は大きい。 実際、日本海側の地域ではマツやナラといった樹木の立ち枯れが多く見られ、中国の大気汚染の影響を指摘する専門家は少なくない。
水の汚染も深刻だ。 中国環境保護総局によると、都市を流れる河川の実に九○%は重大な汚染状態にあり、農村部の三○%の人々は飲用に適さない水を使っているという。
汚染源はやはり工業排水や農業排水、生活排水などだ。 中国では工業排水の三分の一、生活排水の九○%以上が未処理のまま河川に流されている。
長江には年間約二五六億トン、黄河には年間四○億トンもの汚水が流入しているという。 また、黄河と長江の間を流れる准河では、専門家に「准河の水質は五段階で表示される数値のさらに下を行くレベルだ。
工業用水や潅概用水にも利用できない。 残念ながら、自己浄化能力をすでに失っている」と言わしめるほどに水質汚染が深刻を極める。
地元の漁民でさえ、「捕った魚を食べる勇気はない」と吐き捨てるように言うという。 いまや、中国全土の七大河川はすべて重度の汚染にさらされている。
そのため良質な水が不足し、七〜八億人もの人達が汚染された水を飲むことを余儀なくされているという。 大気汚染と同様、河川の重度汚染地域においては、肝臓病やガンの発病率が非常に高く、「ガン村」「肝炎村」などと呼ばれる地域が増え続けている。
これらの環境汚染の中で、空気、水ともに最悪の汚染度を記録する都市が内陸部の重慶市だ。 実際、日本においても中国の環境汚染や環境破壊に関する報道で最も多く取り上げられている都市といってよいだろう。
その中の一つをご紹介しよう。 二○○五年八月一三日付の日本経済新聞の記事である。

「重慶の環境汚染深刻」と題されたその記事は衝撃的な内容である。 工場を誘致した地元の『社(村に相当政府幹部は、抵抗を続ける住民達に防毒マスクを送って調停を打ち切った。
五年前、煙突から黒い煙を吐き出すスポンジエ場が隣に進出してから体調が悪化した。 周辺の五世帯三十人のほぼ全員もガス中毒との診専門家でもなく引越し資金すらない一般市民が、どうやって因果関係を立証できるというのだろう。
日本の高度成長期における公害問題を見てもわかるように、住民の健康や生命の犠牲の上に成り立つ開発がやがて行き詰まるのは火を見るより明らかだ。 重慶の環境汚染の深刻さは統計にも表れている。
「二酸化硫黄濃度はほかの主要四十六都市平均の二・四倍。 降雨の四○%が酸性雨。
単位人口当たりの肺がん死亡者数(男性)は全国一位。 工場排水の七割が未処理のまま川へ流されており、重慶市に隣接する四川省では水俣病に似た症状が報告される村もある」。
同記事ではこのような驚悟のデータが紹介きれている。 また、中国では近年、砂漠化が年々加速している。
中国の国家林業局によると、現在中国全土の約一八%に相当する一七三・九七万平方キロメートルもの係を自力で立証しなければ何の補償も受けられない」土地が砂漠化しているという。 日本の国土面積の約四・六倍もの土地が砂に埋もれたということだ。
砂漠化により四億人もの人々の生活に影響が及んでいるといい、毎年五○○億元もの経済損失が発生しているという。 砂漠化は黄砂の砂嵐となって被害をもたらす。
砂漠化が加速するに伴い砂嵐の発生も増えている。 中国北部では年平均二○回だった砂嵐が一九九○年代末には三五回程度に増えたという。

黄砂の影響は首都北京など都市にも及ぶ。 二○○二年に北京を襲った黄砂は太陽光をさえぎるほどの砂挨のために、前週に二八度あった気温がなんと一二度にまで低下したという。
さらに二○○六年四月には、なんと三三万トンもの黄砂が首都北京を襲った。 五月になっても砂煙はやまず町中いたる所に砂が厚く積もり、まるで砂漠のような光景が広がったという。
この黄砂は韓国や日本にも飛来する。 日本では黄砂は春の風物詩とさえ言われていたが、最近ではそう悠長なことは言っていられない状況になっている。
中国の砂漠拡大に呼応するように、日本への黄砂の飛来も急増しているのだ。 特に二○○二年には例年以上に大量に飛来し、視界不良のため福岡空港のダイヤが大きく乱れたほどである。
砂漠化、地球温暖化に加え、農業、工業および生活用の水のくみ上げにより、かつて豊富な水を湛えていた黄河ではしばしば水が干上がる「断流」が発生している。 その影響もあり、中国では現在全国の主要六六九の都市のうち、約四○○もの都市が慢性的水不足に悩み、中でも二○の都市における水不足は特に深刻だという。
環境汚染や環境悪化に伴う経済的コストも見逃せない。 大気や水質の劣化は農業、漁業における収穫高を減少させる。

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